予定通り外務省への要望書提出を終え、2人の記者は、
前夜有本明弘さんが面会を承諾したウニタ書房の遠藤忠夫と名乗る人物を引き合わせた。
既に会場に集まっているマスコミを待たせて、遠藤、NHKの記者2名と両家族の会談が始まった。
「私に任せて欲しい。何とか救出するから実名は伏せて下さい」。
遠藤は開口一番、事実上の会見中止を強く要請した。
そして、
「われわれは1年以上にわたり金丸氏(故人、当時自民党代議士)の訪朝実現のために、
様々な労力を費やしてきました。
今、警察からこのような話が明らかになれば、
何もかもぶち壊しになってしまう。
くれぐれも記者会見では住所・氏名を言わないで下さい。
その代わり、われわれには金日成の主治医につながる確かなルートがあります。
1~2ヶ月待っていただければ、必ず良い返事を持ってきます。」と、
さらに強く迫ったのであった。(つづく)
長瀬 猛氏著作『恵子、お母さんは待っていますよ!』より




