思いもよらない申し入れに、有本さん・Iさんの2家族は混乱した。
「自民党の実力者でもある金丸氏ならもしかすると・・・」。
明弘さんは当時を振返り、
苦虫を噛み潰す様にこの申し入れを受け入れたことを語った。
遠藤を交えた会談は程なく終わり、家族はどうしたら良いのか分からないまま、
会見場へと向かったのである。
実名は明かせないこと、
写真およびテレビカメラの撮影はできないことが、
集まった報道関係者に告げられると、にわかに場内は険悪な空気に包まれ騒然としたという。
「(ペルシャ湾から目が離せない)今日のこの時間をどうしてくれるんや」、
「圧力がかかったのか」、
「ふざけるな!」・・・記者たちの怒号が有本夫妻にも突き刺さった。
一切想定していなかった事態に、
「何も話せなかった」と有本嘉代子さんは当時を語る。(つづく)
長瀬 猛氏著作『恵子、お母さんは待っていますよ!』より




