「恵子、お母さんは待っていますよ!」第5章日本赤軍よど号グループ 1訪問者(2)

平成7年早春、

同年1月に県下を襲った大震災の傷跡が生々しい中、

新たな珍客が来神した。

高沢皓司(こうじ)と名乗る中年の男性は、

「確かな筋の話として恵子さんは北朝鮮にいる。

是非、お話ししたいことがある・・・」

と訪問の理由を電話で告げてきた。

 嘉代子さんは、

得体の知れない人を家に上げることを拒み、

明弘さんが「外で会うなら」と面会を承諾したという。

とはいえ、

震災により喫茶店など全く営業していない。

来訪者を連れて市内を歩き回ったすえ、

近所で1件だけ店を開けていた「焼肉屋」に腰を落ち着けた頃には、

もうすっかり日が暮れていた。(つづく)

長瀬 猛氏著作『恵子、お母さんは待っていますよ!』より