「恵子、お母さんは待っていますよ!」第5章日本赤軍よど号グループ 2引き裂かれる愛情(3)

しかも、

この手紙が記された背景について、

「当初共同で生活していたはずのM氏に関する記述が、

恵子さんやI さんと比べて限定されていることから推し量ると、

執筆時にM氏は共同生活をしておらず、

どこか別の場所へ移されている可能性が極めて高い。

北朝鮮では、

行動の自由など一切認められていないので、

一緒にいないということは、

当局の意向であるとしか考えられず、

それが実に恐ろしいことであることは

Iさんと恵子さんも分かっていたはずである。

その証左として、

極めて限られた外出時間内に、

それも監視下で旅行者(ポーランド人)に手紙を託す行為は

極めて危険であるにもかかわらず、

あえてその危険を冒す理由は、

いつ自分たちにMさんと同じ事態が訪れるかもわからないという、

緊迫した状況があったに違いない」と、

この手紙が自分たち、

すなわち恵子さんとIさんの生存の証としての

「愛する人々への悲痛な叫び」

であろうことが、

高沢氏から両親に告げられたのである。(つづく)

長瀬 猛氏著作『恵子、お母さんは待っていますよ!』より

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