「恵子、お母さんは待っていますよ!」第6章日本赤軍よど号グループ② 検証・最後の音信(1)

実は1月(平成13年)に有本家にうかがった折、

高沢氏の著書

「宿命・よど号亡命者たちの秘密工作」

という本を拝借した。

その本には、

前に取り上げたIさんからの手紙に関して詳細に記述されており、

事件に対する洞察や推察が緻密な取材に基づいてなされていることが、

今回の聞き取りで実証されたと筆者は考えている。

その著書でも取り上げられているが、

恵子さん本人からの最後の音信は、

不思議な手紙であるという。

 恵子さんを幼い頃から可愛がり、

渡航にも理解を示していた明弘さんの妹さん(恵子さんの叔母)が

その手紙を見た瞬間、

「これおかしいんとちゃう?」と直感的に指摘されたそうである。

その手紙の右上にある「1983年10月頃」の記述は、

手紙を受領した後に嘉代子さんが書き加えたものであり、

もともとは日付の記載がなかったのである。

今回の聞き取りで、恵子さんが家族に送った多くの手紙を拝見したが、

日付がないものはそれ1通のみであった。(つづく)

長瀬 猛氏著作『恵子、お母さんは待っていますよ!』より