■過去の検証なしに拉致の解決はない■
私は北朝鮮に拉致された有本恵子の父、明弘です。
金正日が拉致を認めて5人の被害者が帰国したのが
2002年ですから、すでにそれから5年が過ぎました。(平成19年11月当時)
しかし、北朝鮮外務省は今年(平成19年)7月はじめ、拉致問題は
すべて解決したと開き直る備忘録を公開しました。
このことに端的にあらわれているように、拉致問題への
北朝鮮の姿は全く変わっていない。拉致被害者のうち、
死亡とされた8人(私の娘も含まれています)や
未だに拉致自体が認められていない、多くの被害者も
放置されたまま残っているのです。
事態はなぜ進展しないのか。
もちろん、
一番悪いのは北朝鮮の金正日政権です。
しかし、過去、日本の中に
拉致隠蔽をはかった勢力がおり、今に至るまでその人たちが
きちんとした反省をせずに、政界やマスコミなどに残っており、
その勢力が、拉致問題解決を背後から妨害しているのではないか、
と強く危惧するのです。
私の持論は「拉致を隠蔽した金丸外交と
それに加担した政治家、マスコミの検証なしに拉致の解決はない」
です。
その点に関して、私がこれまで経験してきたことを
話させていただき、さらにそれを踏まえて
問題提起させていただきたいと考えています。
北朝鮮が日本人を拉致していることが明白になったのは
1988年です。しかし、その直後に金丸信氏、田辺誠氏ら
自民党と社会党の政治家、外務省は明白になった拉致の事実を
隠蔽し、拉致問題の解決なしに日朝国交正常化を目指すという、
許し難い外交を行ったのです。それを支えたのは今の(平成19年当時)民主党代表、
小沢一郎氏や先の(平成19年の)選挙で民主党から参院議員に当選した石井一氏らです。
そして、本来ならその許し難い外交を国民の前に告発すべきマスコミが
拉致問題を無視して、金丸氏らを助けたのです。
第一に、私が体験した政治家と外務省の拉致隠蔽工作を記し、
第二に、隠蔽工作に加担したマスコミについて告発します。(つづく)
*「正論」平成19年11月号より(加筆・修正のうえ転載)





